2004年11月20日

銀河鉄道の夜 / 宮沢賢治(集英社文庫)

 久しぶりに読み返している。今はこの集英社文庫版しかないので、これを読んでいる。収録作品は、「やまなし」、「いちょうの実」、「よだかの星」、「ひかりの素足」、「風の又三郎」、「銀河鉄道の夜」の六編である。
 「やまなし」はいつも自分が蟹になった気分でドキドキしながら読んでしまう。いくつになっても物語に入り込めるのはそれだけこの物語がすごいという事なのだと思う。
 もう最初の四編を読んだので、あとは、「風の又三郎」と、「銀河鉄道の夜」を読むだけだ。読む前からわくわくしていて、やはり宮沢賢治の書く世界は好きだなあと実感するのだ。

銀河鉄道の夜
posted by 慈音 at 20:26| Comment(2) | TrackBack(1) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月19日

ブルースマンの恋 / 山川健一(中公文庫)

 1989年に東京書籍よりCDブックとして発売された本の文庫版である。偉大なるブルースマン達を素敵なエピソードをまじえて紹介してゆく。
 ここでブルースのすべてが語られているわけではないけど、それでもブルースを聴いてみようかなあと思わせる魅力にあふれている。大好きな本である。

yama
posted by 慈音 at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月17日

壜の中のメッセージ / 山川健一(新風舎文庫)

 大好きな山川健一の単行本デビュー作であるこの本が新風舎文庫の、「記念すべきデビュー作シリーズ」の中の一冊として復活した。
 角川書店から出たのが1981年で、その後、角川文庫に入ったけど、ここ何年かはなかなか入手困難な状態になっていたので、こうしてあらためて発売される事は読者としてはとても嬉しい。
 山川健一の本は全部読んでいるけど、この小説が今もいちばん大好きだ。もう何回も読み返しているけど、この新風舎文庫版をまた読み返してみようと思う。

 1990年、ローリング・ストーンズの初来日公演の時、コンサート終了後、興奮して東京ドームの外に出て歩いていたら目の前を山川氏が歩いていた。
 僕はその時もこの本をコートのポケットに入れていて何だかとても嬉しくなったのを憶えている。
 その後もこの本は僕が元気な時も落ち込んでいる時もいつも一緒だった。そんな本を持てたという事はとても幸せな事だと思うのだ。

MESSAGE IN A BOTTLE
posted by 慈音 at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月04日

二十歳の火影 / 宮本輝(講談社文庫)

 落ち込んでいる時に、読みたくなる本がある。何とか気持ちを切り替えようと大好きな本を読み返す。読んでいるとその世界に引き込まれて夢中になって読む。
 読んだ後、様々な思いが頭を巡り、これからの生活のヒントを見つけたりして、ああ、読んでよかったなあと思う。

 宮本輝さんのエッセイ集、「二十歳の火影」もそんな本である。これは本当に何回も読み返してきた。
 ここに書かれている様々な出来事はいつも僕に元気を与えてくれるのだ。読むたびにどんなに困難な事があってもきっと乗り越えられると思えてくる。本が持つ力を感じる事が出来る。
 輝さんの小説はどれも素晴らしいけど、僕はエッセイを読むのも好きなのである。何だかまた読みたくなってしまった。

二十歳の火影
posted by 慈音 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月18日

THE WHO MAXIMUM R&B

 THE WHOの貴重な写真をたくさん収録したファン必見の写真集。洋書です。初版本には貴重な音源のソノシートが付いていました。僕は古本屋で見つけて買ったのですが、残念ながらソノシートは付いていませんでした。それにしてもここにある写真はすごいです。魅力的なものがたくさんあり、我を忘れて見入ってしまいます。キース・ムーンのお馬鹿な写真を見ていると可笑しいのに何だか涙が出てきます。この間、新宿のTOWERに置いてあるのを見ました。

whophotobook
posted by 慈音 at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月11日

sugar and spice / 蜷川実花(河出書房新社)

 たまたま会社で見かけたこの写真集を見ていたら、大好きなbiceの写真が一枚だけあって、その偶然の出会いに驚いた。
 その写真を撮ったのは蜷川実花という人だった。大好きな桜井亜美の小説のカバー写真も手がけていたので知っていた。
 これは2000年12月に出版されたミュージシャン、モデル、女優などの写真を集めた写真集である。biceの他に、ACO、カヒミ・カリィ、高橋マリ子、今宿麻美、市川実日子などの写真が収められている。

sugar
posted by 慈音 at 22:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月05日

山頭火句集(三)/山頭火文庫(春陽堂)

 今日も無事に一日が終わろうとしているけど、ちょっとだけ悲しい出来事があった。気にしなければ別にどうでもいい事かも知れないんだけどね。こんな気持ちの時は山頭火の句に惹かれます。

 月のぼりぬ夏草々の香を放つ

 雲はちぎれちぎれて風のみ光る空

 風のなかくらやみの木肌に触れし

               種田山頭火

 今夜もいい風が吹いている。すべてよしとしよう。
posted by 慈音 at 21:50| Comment(4) | TrackBack(1) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月24日

四重人格/ピート・タウンゼンド(大橋悦子訳/晶文社)

 ザ・フーのピートが1985年に出した短編集である。抽象的なイメージの物語からイギリス人が書いたいかにもイギリス的な物語まで、なかなか興味深いものが多い。詩的センスが光るものもあり、その辺はやはりソングライターとしての資質が見え隠れする。いくつかの物語に馬の存在が象徴的にえがかれている。それぞれの物語の中で登場する馬が重要な役割を担っている。小説というよりも散文詩に近いピート渾身の作品集だ。
posted by 慈音 at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月08日

First Love / 桜井亜美(朝日新聞社)

 シネスシージア(共感覚者・・・十万人に一人の確率で存在すると言われ、神経回路が錯綜していて、刺激への反応が異なる感覚へ繋がれてしまう人)として生まれ、感情の動きを美しいメロディを紡ぐ事でしか表せない少女、璃星(りせ)と精神科医、桜澤との愛の軌跡の物語。設定が重くてなかなか読むのが進まなかったが、読み終わった瞬間、涙がとまらなくなった。

 治療のため、手術を受けて脳に薬を埋め込んで、感情の流れを抑制するのだが、その期間が三ヶ月しかないのだ。璃星はその三ヶ月で初めて自分の感情をコントロール出来る感覚を知る事が出来た。さらに担当の桜澤という医師に対して初めての恋心も抱く事になった。それまで、自分の感情をコントロール出来なかった璃星にとって、その恋心は100%純粋な感情だったのだ。だからこそ璃星は困難な状況の中でその恋にすべてを捧げてしまう事ができた。結末が二人にとってよかったのかどうかはわからない。でも少なくとも璃星は自らそれを望んでいたのだから、きっとよかったのだろう。

 これまで、たくさんの小説を読んできて、たくさんの切ない小説に出会って来た。でも、こんなにまで切ない小説に出会ったのは初めてだと言っていい。それくらい切ない物語だった。

first love
posted by 慈音 at 23:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月14日

東京看板娘(雷鳥社)

 先月発売されたばかりの写真集です。都内および都内近郊で商売を営む様々なお店の、「看板娘」を写真で紹介しています。お店の情報も記載されているので、お気に入りの、「看板娘」に出会ったら出かけてみるのもいいかも知れませんね。  猫、犬といった動物から、小学生、はたまた九四歳のおばあちゃんまで個性豊かな、「看板娘」さんがいます。みんなに共通している事は笑顔が素敵だという事です。本当にみなさん、いい顔をしています。昔、教育テレビで、「働くおじさん」という番組がありましたが、ここに紹介されている、「働くおねえさん」達は本当に素敵です。

看板娘
posted by 慈音 at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月20日

山頭火句集(一)/ 山頭火文庫(春陽堂)

 心が穏やかでないのです。この所悪い事ばっかり考えてしまいます。こんな時は山頭火の句集を開きます。
 不器用な生き方しか出来ない彼の日々の生活の中から生まれる言葉は空しさも悲しさも喜びも全てを含んでいます。ぎりぎりの所で紡いだ言葉だからこそ、読む人の心に痛い一撃を喰らわせる事が出来るのだと思います。なんて事はない言葉が、自分の気持ちに重なった時に起こす衝撃はある意味、奇跡だと思います。
 こんな憂鬱な夜に山頭火の言葉はやっぱり僕を打ちのめしてしまいました。

 ほんとに、どうしようもないわたしが歩いています。
posted by 慈音 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月17日

とかげ / 吉本ばなな(新潮文庫)

 疲れている時に読みたくなる本がある。吉本ばななの、「とかげ」もそんな本のひとつである。この中の6編の物語を読むたびに、「生きること」について思いを馳せる。暗闇の中で自問自答を繰り返す僕に物語の登場人物がそっと語りかける。

  死ぬって何だろう。
  いなくなって何も言ってくれなくなって、今はここに強く
  押しつけられている鼻の、その押しつける力の源。
  そうしたいという意志の器。それが消えてなくなること。

 その言葉を読むたびにやはり生きていなければと思う。

  生きてさえいれば。
  明日言える。

 そうだ、生きてさえいれば明日何かを伝える事が出来るんだ、と切実にそう思うのだ。だから僕に生きることのささやかな喜びを教えてくれるこの作品は読むたびに僕を元気にしてくれるのだ。

とかげ
posted by 慈音 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月10日

春の夢 / 宮本輝(文春文庫)

 僕は宮本輝の小説が大好きだ。どの作品も読んでいるうちにその物語に深く引き込まれてしまう。読み出したらとまらなくなって最後まで一気に読んでしまう。特に好きになった作品は何回も読み返す。
 中でも特に好きなのは、「春の夢」だ。父親が死に父親の借金を抱え、母と二人で困難に立ち向かいながら生きてゆく主人公の姿は何度読んでも元気と勇気をもらう。単純に感動という言葉では言い表せないその物語の深さに圧倒されてしまう。 春の暖かさの中、久しぶりに読み返してみようと思う。
posted by 慈音 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月28日

十年ゴム消し / 忌野清志郎(六興出版)

 RCサクセションがワイルドなロック・バンドとしてブレイクする前のたいして仕事のない時期に清志郎が書いていたノート(日記)をまとめたもの。
 不遇な時でも清志郎の想像力と創作意欲は奇蹟的な輝きを見せている。そのどうしようもない私生活の中から生まれた言葉や文章は読むものを圧倒的に魅了する。 何故、こんなに惹かれるのか?それは、そこに嘘がないからだ。自分の赤裸々な想いを日々、ノートに書き続けた清志郎の想いがストレートに読むものの胸を打つのだ。
 時として、切なくて、痛くて、読んでいて辛くなる事があるが、それでも僕を引き込んでしまう珠玉の言葉達。僕は読む度にその素晴らしさに釘付けになってしまうのだ。

十年
posted by 慈音 at 20:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月26日

ハイネ詩集 / 片山敏彦訳(新潮文庫)

 僕は詩集というものが大好きで、気が向くと詩集を手にとって読んだりする。なかでも好きなのは、ハイネ、ヘッセ、ジャム、ランボー、リルケ、中原中也、金子光晴などで、よく読み返したりしている。その中でも特に好きなのは、ハイネと金子光晴で、今日はハイネの詩集を選んで読んだ。
 詩集のいい所は好きな詩を好きな時に読める事だ。あの言葉が読みたい!と思った時に、すぐ手に取って読めるのがいい。
 ハイネの詩はとてもロマンティックで切ない。ロマンティックで切ない詩なんてこの世界に腐るほどあるけど、ハイネの詩が色褪せないのは、ただ切ないだけじゃなく、ユダヤ系ドイツ人という社会背景から来る悲哀や、するどく世相を切り取った中に見え隠れする皮肉や毒が読者を魅了するからだと思う。ハイネ大好きです。

ハイネ
posted by 慈音 at 20:50| Comment(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月16日

壜の中のメッセージ/山川健一(角川書店)

 もう何回読んだかわからないくらい読み込んでいるのが山川健一の小説、「壜の中のメッセージ」だ。三つの短編からなる連作長編という形をとっているこの物語はそれぞれの話にロック・ミュージックが重要な役割を伴って登場する。
 それは例えばイーグルスだったり、ブロンディだったり、ポリスだったり、ブルース・スプリングスティーンだったりする。どの物語もヘヴィな内容で読んでいると暗い気持ちになってくる。そこには救いようのない現実が描かれているのだけど、不思議と読みたくなる瞬間が来るのだ。
 中でも表題作の、「壜の中のメッセージ」はとてもやりきれない物語なのにものすごく惹かれてしまう。主人公がある自殺願望の女の娘と知り合い、振り回されるのだけど、最後にはその女の娘は本当に自殺してしまうのだ。この物語を貫く主題は間違いなく、「孤独」というものなのだが、女の娘が感じている孤独感を具体的に表すために、ポリスの、「SO LONELY」という曲が挿入されている。個人的にこの曲は大好きなので、女の娘の心情は痛いほどよくわかる。わかるからこそ絶対に自殺なんかしてほしくなかったと思うのだ。
 この救いようのない物語を読んで、いつも、「生きること」について考えさせられてしまう。
posted by 慈音 at 21:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月03日

グッド・バイ/太宰治(新潮文庫)

 あらたまって言うのも何ですが、太宰大好きです。あまり元気じゃない時に無性に読みたくなります。
 今日は、「グッド・バイ」に入っている、「眉山」を読みました。何回読んでも悲しい物語です。読むと悲しくなるのはわかっているのですが、また読みたくなる作品です。読んだあと、何かが僕を深く包み込みます。その正体が何かはよくわかりません。でもそれは「やさしさ」についてのヒントなのではないかと思うのです。
posted by 慈音 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月27日

二十歳の火影 / 宮本輝(講談社文庫)

 本を読みたい時、気力や体力が伴わず、小説を読むのはきついなあ・・・と思うとき、僕はエッセイを読む事にしている。エッセイだと読みたい所だけ読んだり出来るのでいい。
 大好きなエッセイがいくつかあって、その一つが宮本輝の「二十歳の火影」だ。輝さんの小説はもちろん大好きで全部読んでいるけど、エッセイもとてもおもしろいのだ。紆余曲折の人生を歩んできた人だからこそ、あれほどまでに完成度の高い物語を紡ぎ出すことが出来るんだろうと思うのだ。いつ読んでも何度読んでも元気になれる本。大好きだ。

二十歳の火影
posted by 慈音 at 23:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月16日

A.IMAJUKU / 野口貴司・今宿麻美(ソニー・マガジンズ)

 以前、ここでも取り上げた事のある、煙草がよく似合うモデル、今宿麻美の写真集を買ってきた。撮影は野口貴司という人。モデルとしての彼女の事はほとんど知らないのだけど、ここに写っている彼女はさすが!というか、いい表情をたくさん持っている。特に眼力というか瞳の鋭さは半端じゃない。凛々しいというか、その人の魂は目に宿るという事を改めて思い知らされる素敵なカットがいっぱいだ。煙草を吸っているカットもいくつかあって、もちろんそれらも素敵な写真になっている。うん、いいね。これからは今宿麻美のモデルとしての仕事も見ていきたいと思う。

A.IMAJUKU
posted by 慈音 at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年02月11日

アタシはジュース/延江浩(集英社文庫)

 書店の中を徘徊している時、タイトルに惹かれて買ってしまった作品。でもこれが当たりだった。
 高校2年生の女の子、ジュースとイラン人の青年、ムスタファーの出会いから別れまでの純粋無垢な恋の物語が吉祥寺を舞台にして語られていく。僕がいつも見慣れている風景の中で進んでゆく二人の恋はとてもリアルで新鮮だった。結末はハッピーエンドではないけれど、ジュースはムスタファーとの短い恋を通して、日本という得体の知れない国と、そこに住む日本人の本質を垣間見たに違いない。やりきれないこの物語の中でジュースとムスタファーの国境も人種も関係なく純粋に人間として惹かれあった姿は何度読み返しても僕の心を熱くする。
 同時収録の「体育館少女」、「発熱児童」、「レント・ア・キッス」も熱い。読んで元気になる本です。
posted by 慈音 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 慈音書房 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする